「離婚したいけど、財産分与はどうなるの?」
「財産分与ってどこまでもらえる?」
「離婚をしたいけど損をしたくない」
離婚を考えた時、色々と悩むことでしょう。
当記事では、下記内容を紹介していきます。
- そもそも財産分与ってなに?
- これだけは知っておいて!知らないと大損する離婚準備
- 財産分与の進め方は?
財産分与についてを知らないと大損してしまいます。
当記事を参考にして、今後どうすべきかの確認をしてみてください。
そもそも財産分与ってなに?
財産分与とは、結婚生活中に協力して築いた財産を離婚時に清算することです。
しかし、種類やどうやって決めるのかを具体的に分からない方も多いことでしょう。
そこで今回は下記内容で「財産分与」について詳しく紹介します。
- 財産分与の種類
- 財産分与の対象と非対象の基準は?
- 財産分与の割合は法律では決められていない
- 離婚原因で財産分与の割合が変わるわけではない
- 住宅ローンや借金などのマイナスは内容によって対応が異なる
- 財産分与の取り決めは離婚前にしておくべき
- 財産分与の時効は2年
- 財産分与は税金がかかる場合がある
財産分与の種類
財産分与にも種類が3つあります。
それぞれ内容が違いますので理解が必要です。
ここでは、財産分与の種類を紹介しています。
- 清算的財産分与
- 扶養的財産分与
- 慰謝料的財産分与
清算的財産分与
清算的財産分与とは、結婚生活の中で形成した財産を公平になるように分配することです。
結婚生活の中で築いた財産は、どちらかの特有財産ではない限り、原則として「夫婦が協力して作られた財産」になります。
また、貢献や寄与の程度も平等です。
したがって、結婚生活内で形成した財産に関しては、お互い2分の1の権利を持つことができます。
これを財産付与の2分の1ルールといいます。
そのため、離婚の理由内容に左右されずに、財産を分けることができるのです。
扶養的財産分与
扶養的財産分与とは、離婚後も経済的に自立するまでの間、生活費を財産付与として一時的に負担してくれることを指します。
以下のような場合が、扶養的財産分与が認められやすくなります。
- 妻が結婚を機に仕事を辞め、家事や子育てを担当していた場合
- 離婚に伴い、生活費が確保されるだけの慰謝料などが得られなかった場合
- 夫が離婚後も一定の収入がある際、妻に対して一定額の支払いを命じられても生活に支障がない場合
しかし、必ず支払わなくてはいけなかったり、貰える権利があるわけではありません。
離婚をした夫婦の間に明らかな経済的格差がある場合は、この扶養的財産分与が認められるのです。
慰謝料的財産分与
慰謝料的財産分与とは「慰謝料を含む財産分与」です。
本来の慰謝料は、離婚の原因を作ったことに対する精神的苦痛の損害賠償です。
しかし、慰謝料的財産分与はその慰謝料を、財産分与から差し引くものになります。
基本的には慰謝料は現金で支払われますが、慰謝料的財産分与は現金以外という大きな違いがあります。
例えば、結婚後に共同でマンションを購入したとします。
離婚後は清算的財産分与で権利を半分にしますが、夫の浮気で離婚する場合、慰謝料分をマンションの清算的財産分与に当てることができます。
また、この慰謝料的財産分与では足りない差額を、慰謝料で別に請求することもできるのです。
財産分与の対象と非対象の基準は?
財産分与については理解できたことでしょう。
しかし、具体的にどれが対象なのか分からないかもしれません。
財産分与の対象は下記の通りです。
- 共有財産は対象
- 特有財産は非対象
共有財産は対象
結婚した後に協力して築いたものは共有財産となり、財産分与の対象になります。
夫婦間での財産であれば、名義は問いません。
夫婦のいずれか一方の名義であっても、協力して形成されたものであれば財産分与の対象になります。
共有財産の例は下記になります。
- 土地や建物
- 現金や預貯金
- 株式
- 保険
- 退職金の金融資産 など
例えば、結婚後に夫の収入で名義を夫にした不動産を購入した場合でも、妻が夫を支えていた時は共有財産といえます。
特有財産は非対象
特有財産とは、結婚前から所有していたものや、結婚後も一方が相続や贈与などにより取得したものです。
この特有財産は非対象になります。
例えば、結婚前から持っていた車で、個人の使用目的で支払いも個人で済ませていた場合は、共有財産になりません。
財産分与の割合は法律では決められていない
清算的財産分与は夫婦間で平等に分配するルールはありますが、財産分与の割合は法律には決められていません。
夫婦のどちらかが働いてない場合でも、平等に分配するのが基本です。
しかし、財産形成においての貢献度に大きな差がある場合は、話し合いなどにより比率を変更することもできます。
離婚原因で財産分与の割合が変わるわけではない
清算的財産分与は、どちらの落ち度で離婚するのかであったり、どのような離婚原因なのかで財産分与の割合は変わりません。
清算的財産分与はあくまでも平等に分配します。
例外でその財産の貢献度によって割合は変わりますが、離婚原因は全く関係ありません。
住宅ローンや借金などのマイナスは内容によって対応が異なる
財産がマイナスだった場合はどうなるのでしょうか。
離婚をしても住宅ローンなどの借金を支払い続けるのも苦痛ですよね。
借金の種類によって財産分与の方法が異なってきます。
ここでは、下記の財産分与方法を紹介していきます。
- 住宅ローンの場合
- 住宅ローン以外の借金
- ギャンブルなどの個人的な借金
住宅ローンの場合
住宅ローンが残っていた場合、自宅の時価から住宅ローンを差し引き、それを分配します。
もし、自宅の時価が住宅ローンより高い場合は、自宅時価からローン残高を差し引いた金額が自宅の総評価額になり、それを分配します。
逆に自宅の時価が住宅ローンより低い場合は、自宅の総評価額が0になるので分配対象にはなりません。
その場合、預貯金などでローンの残額を差し引かないのが一般的です。
また、ローンの残金は債務者が所有し続け、ローンも支払い続けることが前提になります。
もし収入のある夫が債務者で、離婚後もその住宅に住み続ける場合は、夫が支払い続けることになります。
しかし、仮に収入のない妻が住宅に住み続ける場合は、債務者を変更してしまうとローンが滞る可能性があると判断されてしまうため、銀行も同意しないケースがあるので要注意です。
この場合は、住宅ローンが完済するまでは、不動産の実質的な所有者と名義が異なるので離婚協議書の条件に明記するなどが必要になってきます。
住宅ローン以外の借金
生活費などの夫婦の間で行った借金は、実質夫婦のものになるため、借金も二人で請け負う必要があります。
財産分与では、財産から借金を差し引いた金額が分与の対象になります。
ギャンブルなどの個人的な借金
個人の借金は夫婦間の財産にはなりません。
そのため、借金を背負っている本人の所有物になるため、借金をしていない片方も半分請け負う必要もないのです。
財産分与の取り決めは離婚前にしておくべき
離婚を先にしてしまうと、財産分与を振り分ける前に疎遠になってしまうことが多くあり、貰えなくなる可能性が出てきます。
財産分与は離婚成立後の2年しか請求することができません。
また自宅の売却に時間がかかった場合、請求できなくなる危険性もあります。
そのため、離婚届を出すと時間が限られてしまうため、先に財産分与の話し合いをしておきましょう。
財産分与の時効は2年
法律上では、離婚成立後の2年間は財産分与の請求をすることができます。
これは、離婚後当事者間で話し合いして解決することが難しくなり、代わりに家庭裁判所に申し立てて協議に代わる処分をしてもらえるのが2年とされているからです。
しかし、夫婦間で円満に財産分与を行う場合は時効はありませんが、必ずしも離婚後円満でいられる保証もありません。
財産分与は税金がかかる場合がある
財産分与が金銭で行われる場合は、支払う側も受け取る側も、原則として税金はかかりません。
しかし、不動産の場合は、譲る側も受け取る側も税金がかかる場合があります。
なぜなら、不動産を譲る側には、時価で譲渡したとみなされ、譲渡所得税が課せられるからです。
ただし、自宅などの居住用不動産の場合は以下の控除もあります。
それは「所得期間による軽減税率」と、自宅が時価3,000万円以下もしくは超える金額のみ課税される「3,000万円の特別控除」があります。
また、不動産を受け取る側も以下の税金が課せられます。
- 不動産所得税
- 登録免許税
- 固定資産税
不動産を受け取る際は、複数の税金が取られるので注意が必要です。
これだけは知っておいて!知らないと大損する離婚準備
誰でも財産分与を多く受け取りたいと思うはずです。
そこで今回は、知らないと大損する離婚準備を紹介します。
財産分与を有利に受け取る離婚準備は下記になります。
- 離婚相手に知られず準備しないと大損
- 離婚条件をまとめず離婚届を出すと大損
- マイホームや車などの査定を1社だけにすると大損
離婚相手に知られず準備しないと大損
財産分与を多くもらうため、話し合う前に相手が勝手に財産を処分してしまう場合があります。
財産を先に処分されると、財産分与は受けられなくなり、取り分も減ります。
そのため、事前に預金や証券などの具体的な金額や不動産など、事前にどのような財産があるのかをリストアップしておくと良いでしょう。
離婚条件をまとめず離婚届を出すと大損
離婚条件や、自宅などの価値を調べずに離婚届を提出してしまうと、相手に財産分与を多く取られてしまう可能性もあります。
また、相手と話し合いができない場合は代理を立てた場合でも、財産分与の期間は2年です。
例えば、自宅を売る場合は平均6ヶ月かかります。
しかし、売れない場合だと2年を越してしまう場合もあり、財産分与を受け取れなくなることもあります。
有利な離婚条件で離婚をするためには、条件をまとめてから離婚届を出しましょう。
マイホームや車などの査定を1社だけにすると大損
例えば、マイホームの場合、不動産会社の査定を1社だけにしてもらうと大損する可能性があります。
なぜなら、不動産会社によって査定額が大きな差があるからです。
戸建ての売却を得意とする不動産会社や、マンションを得意とする不動産会社など、それぞれ会社によって特色が変わります。
そのため、査定を出してもらう場合は1社だけではなく、複数会社に頼んで比較をしてみましょう。
財産分与の進め方は?
財産分与については、有利になるために進め方の理解も必要になります。
ここでは、以下の財産分与の進め方を紹介します。
- 協議を行う
- 離婚協議書を作成する
- スムーズに進めたいなら弁護士に相談
協議を行う
まずはじめに、財産分与の対象の財産をリストアップしましょう。
これは離婚を切り出す前に事前にリストアップをしておいた方が、処分されずに証拠となります。
不動産や車などは、その時点での価値が財産分与の査定の基準になります。
ただし、ローンや借金などは計算方法が複雑になるため、専門業社や金融機関での査定も必要です。
財産分与は半分が基本ですが、夫婦間で話し合いした場合であれば、割合を変更することもできます。
離婚協議書を作成する
話し合いをして合意をした内容を元に、離婚協議書にまとめます。
離婚協議書は、夫婦が離婚する時にあらかじめ話し合って決めた内容を記入するものです。
離婚協議書には、財産分与の他に慰謝料や子供の親権、養育費などについても記載しましょう。
この離婚協議書に法的な強制力をつけるためには、公正証書にする必要があり、公証役場で作成します。
公証役場は国の役所になりますので、平日の開庁時間内に基本的には当事者の二人で行く必要がありますので注意してください。
スムーズに進めたいなら弁護士に相談
財産分与のアドバイスをもらえたり、離婚協議書の作成を任せることができます。
不利な内容で離婚協議書が作成される可能性もあるので、弁護士に相談することで気づかない点も見つけることができます。
また、財産分与の協議を進めても相手が合意してくれない場合は、裁判をする必要も出てきます。
その場合の手続きに関する代行も可能です。
まとめ
離婚したい!知らないと大損する財産分与のいろはを紹介してきました。
- 財産分与には、「清算的財産分与」「扶養的財産分与」「慰謝料的財産分与」の3種類がある。
- 結婚した後に協力して築いたものは共有財産となり、財産分与の対象になるが、個人の特有財産は共有財産にはらない
- 離婚原因で財産分与の割合が変わらない
- 財産分与の時効は2年なので、取り決めは離婚前にしておくべき
- 住宅などの査定は複数社に頼む
- スムーズに財産分与を進めたいなら弁護士に相談
財産分与について知らないと大損しますので、有利に離婚を進められるように事前に準備をしておくことをお勧めします。
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