日語=日本語には男性配偶者を表す言葉「主人」「夫」「旦那」「亭主」といくつかあります。
「それぞれの言葉の意味は何だろう」
「どういう場面で使えるのだろう」
「使ってはいけない場面はあるのだろうか」
普段よく耳にし、使っている言葉ですが、「主人」「夫」「旦那」「亭主」はどれも男性配偶者を表す呼称ですので、使い方が間違ってないか不安になることもありますよね。
この記事では下記の内容をまとめました。
- 「主人」「夫」「旦那」「亭主」それぞれの意味と語源
- 「主人」が使われなくなってきている理由
- 会話の中での「主人」「夫」「旦那」「亭主」の使われ方
この記事を読めば「主人」「夫」「旦那」「亭主」の意味が分かり、最適の使い方ができるでしょう。
自分の配偶者だけではなく、話し相手の配偶者の呼び方も、合わせて解説していきますので、ご参考にしてください。
日語「主人・夫・旦那・亭主」の意味の違い。語源や使い分けについて解説
配偶者の呼び方は、パートナー関係の複雑化やジェンダーレス・男女同権の観点から変化しています。
「主人・夫・旦那・亭主」のそれぞれが持つ意味の違いにより、以下のことがはっきりしてきました。
- 使われなくなった呼び名(若年層に受け入れられない呼び名)
- 使用を避けた方がいい呼び名
では、どのように変化していったのか、ご紹介していきましょう。
日語「主人」の意味と語源
「主人」の語源は【あるじ】です。
「主人」の言葉の意味は下記の通りです。
- 一家の主
- 店の主
- 自分の仕える人
目上の人や自分の配偶者の仕事上の付き合いの時は、「主人」を使うのが一般的にいいとされています。
しかし、「主人」の言葉には、上下関係・主従関係の意味合いを含んでいますので、近年では使用を控える傾向にあることも事実です。
日語「夫」の意味と語源
「夫」は純粋な和語で、男性配偶者を表します。
「夫」は役所や職場に提出する書類の【続柄欄】に記載でき、「主人・夫・旦那・亭主」の中で一番フラットな表現です。
どんな場面でも使うことができる便利な呼称であり、知人と話す時やSNSなどの投稿にも使われるケースが多くあります。
「夫」の語源は、以下の通りです。
夫は「男人(をひと)」の「ひ」が促音化して「をっと」となり、「おっと」になったとされる。
平安時代初期の私撰注釈書『令集解』には、「夫、俗に呼比止(をひと)と云ふ」とあり、古い語形が「をひと」であったことがわかる。
「おっと」の語が定着したのは室町時代とされ、それ以前の平安時代にはウ音便化した「をうと」という語形もあった。
詳しくは語源由来辞書に記載されていますので、ご参考にしてください。
日語「旦那」の意味と語源
「旦那」は、成人男性の敬称で、男性配偶者を表す呼称です。
「主人」よりも砕けた表現で、親しい友人やママ友と話すときなどに使いますので、公的な場面や目上の人には使えません。
男性客や殿様の称号としても使われ、言葉の由来から「旦那・亭主・主人・夫」の順で敬意を表す表現になっています。
「旦那」の語源は以下の通りです。
語源由来辞書に記載してある内容を箇条書きにまとめました。
詳しくは語源由来辞書の旦那/だんなに記載されていますので、ご参考にしてください。
日語「亭主」の意味と語源
「亭主」の「亭」には、旅館や茶屋など人が多く集まる「建物や屋敷」といった意味をもっていますので、「宿の主・茶屋の主」という意味で使われます。
また、「家の主」という意味も含まれていますので、【亭主関白】という言葉があるのです。
「亭主」の語源は以下の通りです。
「亭主」の用例が見られるのは鎌倉時代以降で、平安時代には「いへあるじ」「いへのきみ」と呼ばれていたようである。
夫のことを「亭主」と称する用法は、江戸時代頃から見られる。
詳しくは語源由来辞書に記載されていますので、ご参考にしてください。
若年層に嫌われる「主人」という日語
下記の調査結果でも分かるように、以前は男性配偶者を表す言葉として「主人」が一般的でした。
1980年NHKことば調査グループ編の世論調査で、親しい間柄でない人と話すとき「主人」「夫」「旦那」それぞれの言葉を使う割合の調査結果は以下の通りでした。
「主人」の割合が高く、「夫」「旦那」はほとんど使われていなかったことが分かります。
1985年の調査結果は以下の通りでした。
「夫」の割合が若干増えましたが、以前「主人」の割合が高いままです。
1990年の文化庁の調査結果は以下の通りでした。
「主人」の割合は高いままですが、「夫」「旦那」の割合が徐々に増えてきました。
今でも年長者の間では「主人」はよく使われています。
しかしながら、最近では若年層の間で「主人」という呼称を避けるようになってきました。
どうして「主人」という呼称が避けられているのか、解説していきます。
日語「主人」が使われなくなっている
【男女平等・ジェンダーレス】が普及しつつある昨今、【上下関係・主従関係】の意味を持つ「主人」が使われなくなってきても不思議ではありません。
また、パートナー観の変化も、使われなくなっている要因にあげられます。
婚姻届を提出して、法律上婚姻状態になることが一般的ですが、最近では事実婚や同性婚というワードも聞くようになりました。
これから先も「主人」の呼称は、若年層の間で使われなくなっていくでしょう。
「主人」にかわり「夫」を使う人が急増している
上記の1990年文化庁の調査結果でも分かるように、「夫」の呼称を使う人が増えてきています。
「旦那」の呼称を使う人も増えてきましたが、フランクな印象があるので目上の人や公的な場面では使うことができません。
その点「夫」はどんな場面でも使うことができるし、公的書類などにも使うことができるので、使い勝手がいい呼称だと言えます。
「夫」を使う人が増えてきた要因をまとめました。
- 公的文書・職場の書類に使用可能
- プライベート・SNS投稿に使用可能
- 夫婦対等な関係を表している
配偶者の呼び名の変化は、女性の意識や考え方の変化が大きく関わっているといえます。
会話で日語「主人」を相手の配偶者に使うと失礼になるか解説
会話の中で、相手の配偶者の呼び方にも注意が必要です。
誰と話しているかで呼び名も変わってきます。
どの場面でどういう呼び名がいいのか、解説していきます。
日語「主人」を使用しても失礼にならない
目上の女性との会話では、自分の配偶者の呼び方は「主人」ですし、会話相手の配偶者の呼び方も「ご主人」や「ご主人様」が一般的です。
年上の男性との会話で配偶者を表現する場合「奥様」が最適
年上の男性と話している時、相手の配偶者の呼び方は「奥様」が一般的です。
友人など親しい間柄の男性との会話では「奥さん」が最適
友人などの親しい配偶者の呼び方は「奥さん」が一般的です。
子供を通しての知り合いの場合
- ママさん
- 〇〇くん(〇〇ちゃん)ママ(お母さん)
お母さんの名前で「○○さん(ちゃん)」と呼ぶ場合もあります。
友人など親しい間柄の女性との会話では「旦那さん」が最適
親しい女性友人との会話では、相手の配偶者の呼び方は「旦那さん」が一般的です。
「旦那」にはカジュアルな印象があるので、親しい友人との間では最適です。
子供を通しての知り合いの場合もいくつか呼び方があります。
- パパさん
- 〇〇くん(ちゃん)パパ(お父さん)
お父さんの名前「○○さん(くん)」と呼ぶ場合もあります。
【追加情報】女性配偶者の意味や使い方
男性配偶者の呼称の意味や使い方は、解説してきましたのでご理解いただけたと思います。
女性配偶者の呼び方はいろいろありますが、一般的に使われるのが以下の3種類です。
- 妻
- 奥さん
- 嫁
女性配偶者はどうでしょう?やはり意味や使い方があるのか、詳しく解説していきます。
「妻」の意味
婚姻関係にある女性のことを「妻」と呼び、自分の配偶者の呼び方で最も適してるのは「妻」です。
目上の人との会話で「妻の○○です」と紹介する場面などでもよく使われます。
「奥さん」の意味
「奥さん」は会話の中で相手の配偶者を呼ぶときに使われます。
一般的には相手の配偶者を敬った表現なので、自分の配偶者には使いません。
「嫁」の意味
「嫁」は息子の結婚相手の呼称です。
自分が配偶者の呼称として使うより、夫の親が息子の配偶者に対して使う呼称です。
しかし、【マイナビニュースのアンケート結果】からも分かるように、自分の配偶者を第三者に紹介するときは、「嫁」が一番使われています。
1位 嫁 (24.6%)
2位 妻 (22.0%)
3位 奥さん (12.4%)
4位 家内 (10.0%)
5位 かみさん (9.6%)
6位 名前やあだ名 (7.0%)
7位 女房 (6.2%)
8位 ママ (2.4%)
9位 連れ(ツレ) (1.8%)
10位 相方 (1.0%)
「嫁」が一番使われる理由は【周りが使っているから】だそうです。
まとめ
日語(日本語)には男性配偶者の呼び名はいくつかあります。
それぞれの呼称に意味があり、それぞれの場面で最適な呼称を選んで使い分けします。
近年、パートナー観や女性の意識の変化・男女平等の観点から、配偶者の呼称も変化してきています。
「主人」の使用が避けられ、若年層の間では使われなくなっています。
また、会話中の呼び名にも注意が必要です。
「自分の日本語の価値観」と「相手の日本語の価値観」が違う場合、適切な呼び名と思っていても、そうでない場合があります。
お互いの価値観の違いで、日語(日本語)にも大きな違いが生じます。
誰もが納得して使える配偶者の呼称が求められます。
コメント