「主人」という呼び方はNGなのか⁉ジェンダー平等社会との関係をスパッと解決

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配偶者の呼び方について迷ったり、疑問に思ったことはありませんか?

「ピッタリな呼び方は何だろう?」

「ここで、この呼び方はあってるの?」

「使ってはいけない呼び方はあるの?」

考えれば考えるほど、分からなくなってきますよね。

 

以前は既婚女性が自分の配偶者のことを「主人が・・・」と話したり、相手の男性配偶者にことを「ご主人は・・・」と話している場面を見たり、聞いたりしましたよね。

しかし、近年はジェンダー平等の意識が広まり、「主人」の呼称を避けるようになりました。

 

どうしてジェンダー平等の意識が広まると、「主人」の呼称が避けられるようになるのか。

そもそもジェンダー平等とは、どういう意味なんだろう?と疑問に思いますよね。

 

本文では、下記の内容をまとめました。

  • 「主人」の呼び方はふさわしくないのはなぜか
  • 「主人」のに替わるふさわしい呼び方
  • ジェンダー平等とはそういうことか

 

この記事を読み進めていくと、ジェンダー平等が高まっている現代において、ふさわしい配偶者の呼び方が見つかることでしょう。

ぜひご参考にしてください。

 

「主人」の呼び方はジェンダー平等の観点からふさわしくない

 

そもそも「ジェンダー」とはどういう意味かわかりますか?「ジェンダー」とは【社会的性差】を意味します。

以前は下記のような言葉をよく耳にしたものです。

  • 男らしい・女らしい
  • 力仕事は男がやるもの
  • 女はお茶出し・コピー
  • 女は男の仕事に口を出すな

 

このような社会的イメージや役割のことを「ジェンダー」といいます。

【以前日本に根付いていた「男尊女卑」を撤廃して「男女平等」の社会にしよう】という取り組みを「ジェンダー平等」「ジェンダーレス」といいます。

 

なぜ「主人」がジェンダー平等にふさわしくないか、それは「主人」に「一家の主・自分に仕える」という意味を持ち、上下関係・主従関係を表しているからです。

このことから、「主人」という呼び名はふさわしくない、と避けられるようになりました。

 

「主人」はジェンダーにおいて不適切だが、なぜ使われ続けているのか

「主人」という呼び方は、会話中、相手の男性配偶者の呼び方によく使われています。

ジェンダー平等の観点からふさわしくないという事は広く知れ渡っていますが、どうしてまだまだ使われ続けているのでしょうか?

 

2020年9月にVERYという雑誌で「夫婦間の呼び方・呼ばれ方」というアンケートを実施しました。目上の女性との会話中、配偶者のことを「ご主人(様)」と回答した人は49%と半数近い数字でした。

 

理由としては、次のような回答がありました。

  • 「ご主人(様)」の呼称がしっくりくる
  • 他に適切な呼称がない
  • 他の人が「ご主人(様)」と呼んでるから

 

会話中での適切は男性配偶者の呼び方は、まだ見つかっていないようですね。

適切な呼称がないからといって使い続けても、問題の解決にならず、ジェンダー平等の目標も達成されません。

 

ジェンダーにおいて「主人」の替わりとなる呼称

若い世代の人たちは「主人」という呼び方に違和感を感じ、使用を控えるようになってきました。

替わりに「夫」「パートナー」という呼称がよく使われています。

 

次のような理由があげられます。

  • 上下関係も主従関係もない
  • 性別を表さない
  • 呼びやすい

 

現代社会において、恋人同士・結婚生活はさまざまな型があり、男性同士や女性同士のカップルも珍しくありません。

性差別をなくし、変化を受け入れるためにも「夫」「パートナー」という呼称はふさわしいでしょう。

 

「パートナー」という呼称には違和感があり、使うことにためらう人もいるでしょう。

ですが、長く使っていくことで徐々に慣れ、違和感もなくなり、「主人」に替わるふさわしい呼称にしなければなりません。

 

「主人」が使われ続けるということは、ジェンダー平等の目標が達成できないことになるからです。

社会がジェンダー平等に取り組んでいても、私たち一人一人が意識を高めて取り組まないと日本全体の目標達成にはつながりません。

 

「主人」はジェンダー平等にふさわしいのか。配偶者の呼称の種類と意味

配偶者の呼び方は、話している相手や状況によって変化し、年代によってもどの呼称を使うか違いがはっきりと分かれています。

今まで述べてきたように、「主人」という呼称はジェンダー平等の観点から【ふさわしくない】とされています。

 

どのような呼称が受け入れられているのか、下記のポイントをふまえて解説していきます。

  • どのような呼称があるのか
  • その意味は何か
  • どういう場面でつかわれるのか

 

「主人」の他に男性配偶者の呼称と意味

「主人」の他に男性配偶者の呼称は「旦那」「夫」「亭主」があります。

それぞれの意味を説明していきます。

 

「旦那」の意味

  • 成人男性に対する敬称
  • 商人が男性客を呼ぶ称号
  • 奉公人が主を呼ぶ称号

 

「主人」よりカジュアルな表現なので、親しい友人との会話で使うことをおすすめします。

「夫」の意味

  • 既婚男性
  • 公的機関や職場の書類の続柄欄で使用
  • 対義語は「妻」で両者は対等

 

ジェンダー平等の観点から違和感なく使われる表現で、自分の男性配偶者について相手に話したり、紹介するときに使います。

「亭主」の意味

  • 宿舎や茶屋の主
  • 家の主

 

敬意を込めた表現なので親しい友人との会話では使えますが、目上の人との会話では使えません。

 

女性配偶者の呼称の種類と意味

女性配偶者の呼称も【誰と話しているのか】【どういう状況なのか】によって、「奥さん(様)」「妻」「家内」「嫁」と表現が変わってきます。

それぞれについて、解説していきましょう。

  • 「妻」:既婚女性配偶者。公共機関や職場の書類の続柄欄に使用可能
  • 「奥さん(様)」:相手の既婚女性配偶者。屋敷の奥にいる身分の高い女性
  • 「家内」:自分の女性配偶者。家の中にいるという意味を持つ
  • 「嫁」:息子の結婚相手。女は家にいるものという意味を持つ

 

それぞれ違う意味を持っていますが、すべて自分の配偶者を紹介するときにも使われます。

目上の人との会話では「妻」「家内」が使われ、友人との会話では「奥さん」「嫁(さん)」が使われます。

本来持っている意味とは真逆の意味で使われているのは、不思議なものです。

 

会話中の配偶者の呼び方

相手の配偶者のことを何と呼んでいいか悩む場合があります。

特に目上の人と話してるときは、失礼のないよう注意を払はないといけません。

さまざまな場面での呼称を説明しましょう。

 

夫婦間で会話しているとき

  • 名前やニックネーム
  • 子供がいる場合は「パパ」「お父さん」

 

年齢層が高くなればなる程「お父さん」「お母さん」と呼び合う夫婦が多く、若年層の夫婦だとお互い「名前やニックネーム」で呼び合うケースが多いようです。

親しい友人と会話しているとき

  • 名前やニックネーム
  • 旦那(さん):男性配偶者
  • 奥さん:女性配偶者
  • 嫁(さん):女性配偶者

 

「奥さん」は他人の女性配偶者の呼称なので、自分の配偶者には使いません。

「嫁(さん)」は家の中にいる女性の意味を持ちますので、ジェンダー平等の観点からふさわしくない呼称です。

ですが、これらの呼称が使われているということは、さまざまな状況によっての適切な呼称がないことが大きな要因になっていると言えるでしょう。

 

目上の人と会話しているとき

  • (ご)主人
  • 妻:自分の配偶者
  • 奥様:相手の配偶者

 

「主人」は上下関係・主従関係の意味を持つので、ジェンダー平等の観点からふさわしくない呼称ですが、目上の人との会話では多くの人が使用しています。

やはり、「主人」に替わる呼称が見つからないことが、大きな要因になっていると言えます。

日本のジェンダー平等の実情

2016年、最新の男女平等ランキング*で日本は世界144ヵ国中111位と先進国の中で最低ラインでした。

男女平等が広く浸透して、女性の社会進出・男性の育児参加など様々な取り組みが行われていますが、まだまだ世界からは取り残されています。

 

これから日本はジェンダー平等にどう向き合っていかなければならないか、下記の内容でまとめました。

  • 日本のジェンダー平等の現状
  • ジェンダー平等が進まない理由
  • 日本のジェンダー平等の取り組み

日本のジェンダーギャップ指数

2023年日本のジェンダーギャップ指数は、世界146カ国中125位、2006年公表開始以来過去最低でした。

分野別に詳しく見ていきましょう

  • 政治:138位
  • 経済:123位
  • 健康:59位
  • 教育:47位

 

現代では誰もが同じように教育を受けることができているので、健康・教育は男女平等になってきているといえます。

政治・経済界では、女性の人数は増えつつありますが、男性人数の比率的には少ないので、まだまだ不平等だといえます。

 

どうしてジェンダーギャップ指数が解消されないのか

どうしてジェンダーギャップが解消されないか、その理由は「家制度」です。

日本にはまだ「家制度」が色濃く残っています。

女性も社会に出て活躍していますが、「主」は男性で「従」は女性だという意識がまだ残っています。

 

配偶者の呼称でも取り上げたように、「主人」「旦那」「奥さん」「嫁」は上下関係・主従関係の意味を持つ呼称ですが、いまだに使われ続けています。

若年層の間では「パートナー」の呼称が使われ始めていますが、しっくりこないという理由で普及していません。

 

社会がジェンダー平等の取り組みを進めても、一人一人の意識が変わらないとジェンダーギャップは埋まらないでしょう。

 

ジェンダーギャップ指数改善に向けての地域の取り組み

SDGs17項*のうち5項に「ジェンダー平等を実現しよう」とあります。

現代はSDGsの意識が高まり活動も重視され、差別や不平等のない社会を目指しています。

 

女性の地位向上を目指して、認定NPO法人フローレンスが「ご主人様」「旦那さま」という呼称の廃止に踏み切った。

まずは普段使う「言葉」に対してもっと意識を向け、女性を下位に見る表現から無くしていこうという観点から、廃止宣言を行った。

 

SDGsは世界が取り組む達成すべき目標なので、取り組む日本企業も増えつつあり、さまざまなメリットがあります。

  • 企業ブランドの向上
  • 資金調達
  • 国内外の企業とのつながり など

 

都道府県別でもさまざまな取り組みがなされています。

あなたの住む地域のジェンダーギャップ指数はどうなっているか気になりませんか?

都道府県別ジェンダー・ギャップ指数で検索できますので、ぜひご覧ください。

 

 

*SDGs:持続可能な開発目標

すべての人々にとってよりよい、より持続可能なみらいを築くための青写真です。貧困や不平等、気候変動、環境劣化、繁栄、平和と公正など、私たちが直面するグローバルな諸課題の解決を目指します。SDGsの目標は相互に関連しています。誰一人置き去りにしないために、2030年までに各目標・ターゲット達成することが重要です。

SDGsの17の目標

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤を作ろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任、つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

出典:国際連合広報センター

 

まとめ

ジェンダー平等観点から「主人」という呼び方はふさわしくありません。

  • 「主人」には上下関係・主従関係の意味を持つ
  • 一家の主・自分に仕える人

 

女性配偶者の呼称にもジェンダー平等観点から、ふさわしくない呼称があります。

  • 家内:家の中で暮らしている人
  • 嫁:長男の結婚相手、女は家の中にいるもの

 

「主人」「嫁」は、ふさわしくないと認識されていても、使われ続けています。

なぜなら、「主人」「嫁」に替わる呼称がないからです。

 

「主人」「嫁」の替わる呼称は「パートナー」です。

今はまだ違和感を持たれていますが、若年層の人たちが長く使い続けることで徐々に定着していき、ふさわしい呼称になっていきます。

 

世界中がSDGsの目標達成に取り組んでいますが、日本は最下位レベルです。

社会が一体となって取り組んでいても、私たち一人一人の意識が低いと最下位レベルのままです。

「主人」という配偶者の呼び方を変えるだけでも、SDGsの目標達成に貢献できるのです。

 

 

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